3連休の真ん中日曜日に、那覇大綱引きを見物に行ってきた。琉球王国以来の伝統行事で、長さ200メートル、直径1.56メートル、重さ43トン、ギネス認定で世界最大の大綱を、引き手1万5000人が東西に分かれて引き合う。私は、会場の国道58号線に集まった27万5000人の観衆にまじってこれを見物した。
まず、お約束の市長やらお偉方の挨拶から始まり、爆竹の音鳴り響く中、空手の演武などが執り行われる。その後、各青年会の旗頭による我栄(がえー≒旗振り合戦)を経て、いよいよ東西の綱(男綱:をぅーんなー、女綱:みーんなー)が中央部分で結ばれる。綱引き以前にこの作業自体がすごい。人の背丈ほどもある大綱を数千人が一斉に引き、まるで大型船の着岸のように、結合ポイントに少しずつ近づけていく。あれだけ重いものを人力で連結するのは至難の業だと思うが、貫頭貫構(かぬちぬきかめー)と呼ばれる綱の連結を取り仕切る男を筆頭に、半套(はんたー≒黒い沖縄装束)姿の男達が男綱と女綱をつなぎ合わせて、本綱(ほんなー)が出来上がる。
綱引きは「ハーイヤッ、ホーッ!ハーイヤッ、ホーッ!」のような掛け声に合わせて繰り広げられる。1万5000人の引手が一斉に掛け声をかけると、国道を挟んで並び立つビルが反響して震え、まるで暴動でも起こっているかのような熱気につつまれる。その迫力に、ただただ圧倒された。今年は30分に及ぶ熱戦の末、西が勝利。対戦成績は西の13勝12敗14分けとなったそうだ。
少し離れたところから見物していた私は、那覇市長挨拶から綱引きの勝敗が決するまでの約2時間で、生ビールは6杯+牛カルビ串1本+ポテト1盛りを消費し、綱引きに参加した人よりも顔を真っ赤にしていた。綱引きに使われた綱はちぎって持ち帰ると縁起が良いとされており、そもそも綱を持ち帰るために見物に来たのだが、そんなことはさっぱり忘れ、いい気分で大綱を乗せて撤収するトラックを見送ったのだった。
by ta1