おもちゃのようなポケットトランペットを購入し、たまに吹いてみたりしてそろそろ1年半くらいになる。
トランペットへのあこがれは小学校時代にさかのぼる。映画「ラピュタ」の「鳩と少年」や交響曲「ドラゴンクエスト」の「冒険の旅」、あるいはルイ・アームストロングのジャズCDをよく聞いていた。あ、まぁ当時思いを寄せていた女の子が吹奏楽部のトランぺッターだったのも、トランペットの印象をキラキラ眩いものにしている一因なのだが。
時代は流れ、中国製のトランペットが1万円台で購入できる昨今、当時の小学生も年を取り、小遣い銭が増えたおかげで、ようやく”あこがれ”に実際手が届く。「音楽音痴で不器用なやつでも、今から始めてずっと続けていれば、30年後ぐらいには気の利いた爺さんになれるのではなかろうか?」そう思い立って、初めてみた。
「音が出るまでが大変」と方々から聞いていたので、「ドレミっぽい音が出せるまで3ヶ月あるは半年くらい覚悟すればいいかなー」と気長に構えていたのだが、意外や意外!適性があったらしく、練習用のプラスチックマウスピースを買ったその日にブーブー音が出せ、その3日後トランペットが届いた次の日にはドレミらしき音をカラオケハウスでひねり出し、一週間後には一応1オクターブ行って帰ってくることができるようになっていた。
あれから1年半、いまだ美しい音色にはほど遠く、上のソ以上のハイノートには手が届かないではあるが、一応何曲か諳んじて吹くことができるようになった。休日の朝、たまに「鳩と少年」を部屋のベランダから渓谷に向かって吹いてみる(さすがにミュートはつけたまま)。まぶたを閉じればほらパズーが!…さわやかなイメージとは裏腹に、二日酔いでよく練習サボる35歳の少年パズーだったりするのですがナ・ニ・カ?
by ta1 kobata