日本国酒税法第3条第12号に定められた琥珀色の飲み物、それが麦酒である。
マラソン後やスポーツで汗を流した後のビールは何物にも代えがたいうまさがある。31年間(現在35歳)筋金入りのビール党員の私としては、この飲み物なしには生きていけない。
もちろん、ビール好きにとってビールの種類や銘柄は大変重要で、それぞれの好みについてうんちくを語るのも面白いかもしれないが、ここではどこでも手に入るビールをいかにおいしく飲むか考えてみたい。
まず、日常的に手に入るビールのデリバリー形態としては、「生」か「瓶」か「缶」である。
ここでは、店や屋外で出される樽からジョッキ等へ注がれるビールのことを「生」と定義した。実は瓶・缶に詰められたものも同じ”生”なのだが、ここでは便宜的に呼び名をこのように定義する。
この中では、なんといっても「生」がうまい。うますぎる。
この順位づけ「生」>>「瓶」>「缶」に異論をとなえるビール党員はそういまい。
ここで疑問がうまれる。「その違いを生む原因とは何か」である。基本的に同じ銘柄において生・瓶・缶の成分的な違いは存在しないそうである(一部例外有)。同じ成分なのに味に違いが出るのはなぜか。
その違いは、おおむね次の三つ+αによるもののようである。
①グラス等の形状・素材
②泡の状態
③温度
まず、①について、店や祭りでビールを飲む場合、専用のクリアグラス又はジョッキを用いるため、家飲みする前提の「瓶」・「缶」よりも「生」が有利な点うなずける。ちなみに、縁が薄目で口当たりが良く、グラスをあおる際に香りが楽しめ、流量の多くなる口のやや開いた形状の大き目のビールグラスが私好み。
次に②について、泡の状態についても店や祭りで出されるビールは、家でのむ場合よりも気を使われている事が多い。特にビール園やビール工場見学で出される「生」が格別にうまく感じるのは、注ぎ手の練度が非常に高いためと考えられる。よく言われるベストな状態は、泡が3/10程度の位置を占める状態。家で瓶・缶を飲む場合、最初ドボドボ、あとチョロチョロがポイントのようである。最初にグラス3分の1程度泡を立てておいて、そこからゆっくり注ぎ、泡の層を上部へゆっくり持ち上げていくのがよい(どこのメーカーのビール工場でも、案内のおねーさん達がそういっていた。)。また、注目したいのは、「瓶」のほうが「缶」よりも注ぎやすいため、泡の状態等を調整しやすい点、「瓶」>「缶」の一助となっているかもしれない。
③について、これについても当然「生」はかなり厳密に適正温度管理がされていて有利である。また、「瓶」は「缶」よりも適正温度を保ちやすいため、温度管理の面でも「瓶」は「缶」よりも有利である。ちなみに、適正温度はビールの種類によるが(ざっくり、薄目のスッキリビールはキンキンに冷やして喉越しを楽しみ、濃口のリッチなビールは比較的温度高めで口当たりと香りを楽しむ。)、5度~8度がベスト。
上記より、①、②、③より、感覚による順位づけの妥当性にいくばくかの根拠を与えることができたと思う。上述の点を意識することで、家でもビール園の味により近いビールが楽しめるはずである。
ただし、ビールをおいしく飲むためには、三つプラスαの”プラスα”=シチュエーションも大きく影響する。
ビール園などで、みんなでわいわ飲むのはやはり格別。来月の第一日曜日には那覇マラソンに出場予定であり、このゴール地点にはオリオンビールのブースと仲間たちがまっている。
今年も冷たいビール目指して頑張るぞー!!
by ta1 kobata