去る12月2日日曜日、沖縄でも屈指のイベント第28回NAHAマラソンが、ランナー24,333名の熱気と、その数十倍に上る沿道の暖かい声援につつまれて開催された。
この大会、参加9回目の私だが、今回初めて土砂降りの中のマラソンを経験することとなった(第13回以来15年ぶりの雨とのこと)。
スタート会場の那覇市奥武山公園は家からさほど遠くは無いのだが、何分今日は雨である。
自転車はあきらめ、会場にタクシーで乗り付けると、例年とは違い傘やかっぱ姿のランナーで会場は埋め尽くされていた。
いつもより大分早い会場到着だが、漠然と感じる不安に、いつになくザワつく気持ちを抑えてタクシーを降りた。
例年、完走後に恩師や知人と打ち上げを行っているが、今回は家に帰らずそのまま飲みに行くことを想定して、財布や携帯・走り終わった後の着替えなどを持参してきていた。
この手荷物は会場に隣接する奥武山武道館で預けることができるのだが、ここが「うっそ、、、びっくり!」というほど大混雑していたのだった。
出走は9:00スタートだが、ランナーは8:20までに過去の実績や目標タイムにより指定された整列位置に並ぶ必要がある。
これに間に合わないと各ブロック柵で囲われている整列位置には入れてもらえず、2万人が延々と連なる長い、なっがぁーーーーーぃ列の最後尾に並ばされるという羽目にあってしまうのだ。
今回割と順調な仕上がりで本番に臨めた私にとって、スタートの号砲から数十分スタートラインに立てない=公式タイム(グロスタイム)が自動的に数十分伸びることは何としても避けなければならない。
しかし手荷物の中には、ガッツリ飲むつもり満々の現金と、それ以前の問題として免許証やら保険証やらさまざまなカード類、最近買ったばかりのスマートフォン等があり、さすがにその辺に放り出していくわけにもいかない。
早く整列位置に並びたいのに、実際並んでいるのは一向に前に進まぬ手荷物預けの長蛇の列。手荷物預け場となっている武道館館内では、少し前から館内アナウンスで、ランナーは整列位置に早くいけとの矢の催促。
「行けるもんなら今すぐ行きたいよ」と思いながら、ジリジリと神経をすり減らして列の中に身を置くが、その間も時計の針は刻一刻と時を刻んでいく。
ようやく手荷物預かりのおねーさんの前にたどり着いたとき、時計は8:21分を回っていた。 「はい!おあずかりしまーす。」おねーさんの声。
それを聞き届けるや否や、「っどぉーりゃぁぁぁぁぁーーーーー」私は走り出していた。まだ出走前なのに。。それはもう全力疾走。
例年、8:30分になると整列位置からスタートラインに近くの出走位置にランナーは移動させられるのだが、この直前までに間に合えば大抵整列位置に入れてもらえる。
いちるの望みをかけて、目指すはゼッケン番号2000番台Cブロック。
降りしきる雨粒の向うにCブロックの立て看板が目に入った時、時計は既に8:29を回ろうとしていた。「うぇ」絶望的な時間。。だが、、、
だが、、?、??、みんなあんまり焦ってない?なんで???整列位置の不正割り込みを防ぐスタッフもよそ見しながらゆんたくしてる。
一応、Cブロック入り口に立っていたスタッフに「まだ大丈夫ですか?」と聞いくと。「っへ?あー整列?大丈夫ですよ。」と気の抜けた返事。なぜかわからぬが、ともかく無事に整列位置に陣取ることができた。「んーなぜだ?」
ほっとして、ストレッチなんかを呑気にしていると、場内にアナウンスがこだまする。
「現在8:25です。このあとー、8:30よりー、ランナーのー、皆さんをー、スタート位置へとー、案内します。まだー、整列していないー、ランナーのー、皆さんはー、ご自身のー、ゼッケン番号が書かれたー、整列位置にー、お急ぎください。(以降、省略)」とのアナウンス。
な、なるほど。私の時計、7分近くもー、遅れてやんのーww
走る前から無駄に消耗してしまった私。にもかかわらず、バッチリいい走りができ、ネットタイム(自分がスタート位置を踏み切ってからゴールラインを踏み切るまでの時間)は37秒ほど及ばなかったが、
グロスタイムと順位(3:31:50 485位)で自己ベストを更新。翌日の地元紙:沖縄タイムス(1,000位まで掲載)、翌々日の琉球新報(850位まで掲載)に名前を載せる栄誉にあずかることができたのだった。「やったね♪」
by taichi kobata