沖縄中部の東海岸に浮かぶ伊計島。勝連半島から延びる海中道路を渡り、平安座島＆宮城島の先、一番遠くに位置しており、1982年（平安座島＆宮城島までの海中道路は1974年開通）に本島で繋がれる以前から、方言で「いちはなり」と呼ばれてきた島だ。
美しい海と沖縄らしい島民の暮らしぶりに触れることができることから観光地として人気の伊計島だが、本島の中核都市へは距離があり、残念ながら過疎化が進んでいる。
この島の中央に位置し、明治時代より109年の歴史を持つ伊計小・中学校も一昨年の三月に惜しまれつつ閉校となった。
島唯一の学校が廃校となるのは少しさびしいことだが、その一方で、この廃校となった学校を利用した町おこしのプロジェクト、「いちはなりアートプロジェクト」が昨年立ち上がった。
島民による島をあげた温かみのある運営体制に支えられ、本年夏も開催し、現在大盛況となっている。
県内外の芸術家による作品が、旧校舎内及び集落のそこここに展示されており、ちょっとしたオリエンテーリングをしているような気分で、アート鑑賞ができる。
時にハッとさせられたり、何かを問いかけてくるような現代アートの作品群と、旧伊計小中学校の明るい校舎、ゆったりとした時間が流れる沖縄らしい集落に、それを取り巻く自然の絶景。
それらが一体となって、小さな伊計島全体が大きなアート作品のように感じられるすばらしいイベントとなっている。
開催期間は9月1日日曜日までとなっており、なんと入場料は無料！
県内在住又は、この期間に沖縄に滞在予定の方に、是非ともお勧めしたいイベントである。